こんにちは。BeBRAVE.Sビーブレイブエスの明正明美(みょうしょうあけみ)です。
あと数日で2024年も終わりですね。テレビでは今年のニュースだ出来事だと連日やっていますが、私は毎年この時期、ぐずついた天気のせいで気も滅入り、1年を振り返るなどという感傷的な気分にはなれません⋯
年が暮れようが明けようが、それがどうしたという気分です(笑)
今年最後のブログは小児科医の長谷川節子さんのお話、愛着(アタッチメント)についてお伝えします。
愛着(特定の人と結ぶ情緒的な絆)の対象となる人が、「心の安全地帯」のような存在になることで、こどもの自己肯定感や自立心、社会性などが育まれていくことは、今では多くの人が知っています。
こどもが「心の安全地帯」から「探索」に出て、「不安」になったら「避難」をする。そして安心感で満たされて、再び「探索」に出ていく。こうした繰り返しが描く軌跡を「安心感の輪」と呼ぶ。このようなことも概ねお母さま方には共通認識としてあると思います。
あとは実践のみ!となれば言う事なしなのですが、ことはそんなに簡単ではないようです⋯
安全地帯となるお母さま方自身がさまざまな障壁にぶつかったり、世間という実体の定かではないものに脅かされたり⋯
子育て万能主義が幅を利かせる昨今、とりわけこの日本という地域での子育てはとにかく窮屈で息苦しく、〜せねばという規範やSNSでの比較に苦しめられがちです。
母乳がいちばん!とか、乳児期は密着が大事!とか、親のかかわり(なぜかここでの親は母親)がすべて!⋯とかに苦しむ人も多いのではないでしょうか。
長谷川さんは、さまざまな事情からこどもとかかわる時間が限られてしまうという方に対し、長さよりも質であると言います。
愛着の形成やこどもの心身の発達においては、一緒に過ごす時間の長さ以上に、かかわりの「質」による影響が大きいという研究報告があるそうです。
それならば、かかわりの「質」を高めるためにできることは何か?というと、親子の相互交流を深めていくことです。
そんなことわかってる!ですか(笑)
(でもですね、抱っこで授乳がいいと聞くと、スマホを触りながら、あるいはテレビなどの動画を見ながらでもそうしたり、乳児期は一緒に過ごすことが大事と聞き、仕事をやめてずっといっしょにいてストレスがたまって、自分を責める人も少なくないのです⋯)
交流を深めるって、美辞麗句みたいですが(笑)、工夫が必要ですよ。
こどもとの「特別な時間」を設けて、こどものペースや感じ方に合わせて、遊びながら良い関係を築いていく⋯けっこう難しそうです⋯
具体的には、こどもの言葉を繰り返す、こどものまねをする、こどもの行動を説明する、こどもの行動を”具体的に”賞賛する、親自身が楽しむなどです。
しないことの具体例としては、命令しない、批判しない、質問しない(これはこどもが会話をリードするためです)などです。質問しないって、なんか難しそうです⋯
今日学校(保育園、幼稚園)どうだった〜?とか、何して遊んだの〜?とか、無意識に(ほとんど意味もなく)聞きますよね(笑)
でもこうした実践は短時間でも継続して行っていくことで親子関係の改善や、こどもの問題行動減少に効果があることがわかっているそうです。
ところで、子育て四訓はけっこう有名でよく知られていますが、私は今回長谷川さんの書いたものを読んで改めて思ったことがあります。
① 乳児はしっかり肌を離すな。
② 幼児は肌を離せ、手を離すな。
③ 少年は手を離せ、目を離すな。
④ 青年は目を離せ、心を離すな。
「離さない」ことは大事ですし、動き回る幼児の手を離さないことも難しいのですが、「離す」ことはもっと難しいし、できていない親御さんが多いなではないかと思いました。(親に限らず、上司が部下に仕事を任せず自分が抱え込んでいるのも、離せないことの一例と思います)
こどもの発達段階に比例して、こどもが少しずつ自立していくために、こどもとの距離を離していくスタンスがわかりやすい言葉で教えられているのですが、親がこどもを離さないため(それが何故なのかは要研究です)、こどもが自立できないという事態になっていると言えるのではないでしょうか⋯
長谷川さんのお話の最大ポイントは、こどもの自立を家庭教育の眼目の一つに挙げていることです。
親が庇護して、ただ守るだけではなく、こどもに自分で人生を開く力、生き抜く力、すなわち「自立した心」をいかに養わせるか。これが家庭教育の眼目だと言うのです。
良い学校、良い職場を与えて、親はその見返りを得る⋯ではなくです。
こどもが発するサインを受け止めていくには、大人の側にも心のエネルギーが必要であり、心の安全地帯の役割りを果たすには自分自身をケアしていくこと、周囲のサポートを得ていくことが大切であるとして話を結ばれています。
共にこどもを見守り、お母さま方を励ます、そんなネットワークが必要なのですね。
年末年始、どうか絶対無事故を決意し、安全にお過ごしください。
1年間ありがとうございました😊