進級や異動は異文化との遭遇です

こんにちは。BeBRAVE.Sビーブレイブエスの明正明美(みょうしょうあけみ)です。

卒業シーズン真っ最中で、テレビでは卒業にちなんだ感傷的な歌が吹き荒れております(笑)。そんな感傷を吹き飛ばすかのような強い風が昨日から吹き荒れております(笑)。花に嵐の例えとはこのことでしょうか(笑)

サヨナラだけが人生ではありません。こんにちは。の嵐こそが人生なのです。

日本では4月は学校の入学や進級の月ですし、会社や官庁は新規採用者が入ってきたり、職場の異動もこの時期がメインとなります。よって、草木が芽吹く1年で最も素晴らしい季節が、多くの日本人にとって緊張と喜びがないまぜになる、感傷的になりやすいときです。憂うつにもなりやすいです…

進級や異動というのは、異文化との遭遇ともいえます。日本から海外へ行ったとき、海外から日本に来たときに感じる、いわゆる「カルチャーショック」と同じものと思います。同じ企業であっても部署や支社などが変わると、同じ経営の下にあるとは思えないほど風土というか、空気のようなものが違うことがあります。

それが合わなくて心身に不調をきたしたりする人もけっこう多いのです。こういった経験を何度か繰り返すことで、「異文化」と折り合うというか、自分を見失わず、これまでの経験とうまく融合させていくことができるようになるようです。

日本に暮らすジャーナリストのズベンドリニ・カクチさん(スリランカ出身で、シンハラ人の母とタミル人の父を持ち、宗教や生活習慣など、文化の全く異なるなかで育ちました)は、異なる価値観や考え方のなかで生きていくための最も良い方法は、互いの似たもの、共通項を見つけることだと言います。

例えば家庭と職場は全く異なるものですが、共通項もまた多いののです。

日本文学の翻訳家として著名な故ドナルド・キーンさんは、外国文学を読むということは、新しい水槽の中に入れられた小さな魚になるようなものだと言います。最初は不安と猜疑心が入り混じり右往左往しているが、慣れていくにしたがって、落ち着きを取り戻し、まわりの魚や水草などに目がいくようになるのだと。

新しい環境に適応できない人を、適応障害などと言って社会人失格(未成年は子ども失格でしょうか(笑))のように言うことがありますが、適応の「し過ぎ」も自分を見失ってしまいます。例えば海外から家族で日本に来て日本語が流暢になり、日本文化になじんでくると、日本語がうまく話せない自分の家族を恥ずかしく感じたり、母国の悪いところや発展途上の部分を恥じて、見下したりして、2つの文化が断絶してしまうのです。

進級や異動にも同じことが言えます。なので、新しい環境に馴染めなくても、そういう自分の気持ちを大切にしたらいいと思います。何が受け入れられないのか、何に躊躇しているのか、すんなりとけ込める人よりも深く考察できると思います。

3月もすでに下旬です。新年度に向けて慌ただしい日々を過ごし、緊張感が増している人は、これまでの自分のがんばりを振り返ってみてください。

自分のがんばりはなによりも確かな支えです。BeBRAVE!