赤ちゃんの泣き声がする日常風景はなつかしくてほろ苦く、くすぐったいのです。

こんにちは。BeBRAVE.Sビーブレイブエスの明正明美です。

今日は赤ちゃんの泣き声についてお話をします。

と言っても、専門的な話ではないのです。

赤ちゃんの泣き声が聞こえる日常風景ってなつかしくってほろ苦い、でもくすぐったいなっていう話です。

生まれて間もない赤ちゃんは泣いてばかりでちっとも意思表示しませんよね(笑)

でも、「ちゃんとはっきり言いなさい」とか、「明確に伝えなさい」とは、誰も言いません。

言葉がわからないというのもありますが、自分がどうしたいのかがまだわからないのでテレパシーで伝えてもちゃんと要求を出せないのですね。

だから、お腹が空いた、どこかが痛い、眠いのに眠れない、汗やおしっこで濡れて気持ちが悪いといった不快な状況に対して赤ちゃんなりの泣き方で訴えてるのです。

それを読み取らなければならないママやパパなど、大人たちは大変です。

だって、読み間違えてると赤ちゃんは泣きやみませんから。

対応している新米ママ・パパはいっしょうけんめいです。

オロオロしてます。

傍で見ている者までやきもきします。

赤ちゃんがなんとか泣きやんで、機嫌のよさそうな声や、すーすー寝息が聞こえてくると、ホッとします。

大人2人が赤ちゃんを前にオロオロしている姿はいいかんじです。

他人事だと思って何をのんきに!!と思うかもしれません。

でも…

ひとりでオロオロするよりは、2人でオロオロしたほうが心強いと思うのです。

赤ちゃんの泣き声が続くと、心配にもなりますし、イライラすることだってあります。

でも、赤ちゃんの泣き声がしないというのは、もっと心配なことなのです。

イライラはしないかもしれません。

でも…

赤ちゃんが泣かないってどういうことでしょう?

こんなことを思うのは私が赤ちゃんばかりの児童養護施設である乳児院に保育士として勤務した経験があるからです。

ひとりの保育士又は看護師がお世話する赤ちゃんは新生児でも多い時は5人ぐらいです。

泣いたからといってすぐに抱き上げたり、あやしたりはできないのです。

乳児院の赤ちゃんは泣くことが少ないといわれます。

そしてそれは職員の手がかからないということで、ラクなのです。

経費の削減にもなります。

乳児院ではミルクをよく飲む(離乳後はごはんをよく食べる)、よく眠る、あまり泣かない、おとなしい赤ちゃんが好まれます。

自分の担当する赤ちゃんがこの逆だったりすると、いたたまれない気持ちになります…

保育士養成校時代、児童養護施設から来ていた講師の方が、「乳児院から来た子はやはりどこか違う」というようなことを言って、乳児院への就職が決まっていた私は躍起になって反論しました。でも働き始めてみると、あまりのハードワークに心は硬く鎧をまとい、その講師の方が言っていたことがわかるようになりました。

赤ちゃんが泣かないでいてくれると助かるのです…

赤ちゃんをおんぶしてこなす業務はきつくもありました…

でも一方で、自分の小さかった頃を思い出し、寂しい気持にもなりました。

専業主婦とは無縁の母は仕事と家事、農業の手伝い、3人の子育てと、休むひまなどなかったはずですが、放置されたというような経験はなく、訴えれば怒りながらでも(笑)対応してくれていました。好き嫌いはあったに違いありませんが、それを感じることはなかったです。

6歳下の弟は小学生の私にはただの邪魔者でしたが(笑)、ある日熱を出して寝込んでいるとき、いつまでも弟の泣き声が聞こえていて、とても悲しく寂しい気持になりました。泣きやんでいつものやんちゃな弟の顔が見えたとき、とてもうれしく感じました。

そんなわけで、赤ちゃんの泣き声はなつかしい情景を思い出させ、それは甘いばかりでなく苦くもあり、ケンカの後の仲直りのようなくすぐったさもあるのです。

 

泣いてばかりいた赤ちゃんもじきになにやらしゃべりだし、ぶんぶん物を振り回すようになります。新米ママ&パパはいっしょうけんめいやりながらも、頭の片隅で、ほんの少しだけ、今このときは二度とは味わえない時間だと感じてください。

そして、子育て支援という社会資源を、フォーマル・インフォーマルに関わらず使い倒してください。

自分一人で誰の力も借りずに育て上げたと胸を張る必要はないのです。

使えるものは何でも使い倒したと自負できれば十分です。