ちゃんとした卵は元々いいお値段なのです。

こんにちは。BeBRAVE.Sビーブレイブエスの明正明美(みょうしょうあけみ)です。

食品の値段が全般的に上がってます。特に卵は餌となる穀物が高騰しているところに鳥インフルエンザが重なったため、10個入りが300円を超えるお店も出てきています。

卵の値上げがここまで話題になるのは、これまでずっと安価で提供され続けてきたからです。卵は価格優良児と言われるくらい、価格が安定していました。スーパーではここ数年、10個200円~220円ぐらいでした。今回の値上げではお店ごとというか、提供元ごとで価格が異なるようです。

ふだん220円ほどの地元の卵は250円~260円ぐらいなので、それほどの値上げではないのですが、元々が安かったせいか割高感が強いようです。ディスカウントストアの卵は300円ぐらいでした。おもしろい現象です。

先月初めに富山県高岡市の洋菓子工房フェルベールに行ってきました。たまたま「卵の日」とかだったため、つかみどりで3個もらいました。英国やアイルランドのお菓子であるショートブレッドがとてもおいしいお店で、金沢駅にも商品がありますし、富山駅には店舗もあります。昔からこの商品のファンでした。こだわりの卵が自慢のお菓子です。卵の値段を確認すると、10個で594円でした。元々が高いのです…このお店の卵に限らず、JAなどにある放し飼い鶏の卵もそれくらいの値段です…

つまり、卵はちゃんとした商品はそれほど安くはないということです。

穀物にしても、外国から長い距離と時間を経て日本に入ってきたもの、麦を粉にしてあるものが、米よりも安価であること自体おかしなことです。日本では食品は非常に安価ですが、原材料や労働対価などの経費を考えると不穏なほどの安価です。経済のゆがみです。

とあるファイナンシャルプランナーは、これからの価格優良児は米だ!と言っていましたが、何を今さらというかんじです。米農家をさんざん苛め抜いてきて、かつて、ある学者がアメリカ合衆国からお金をもらって、米を食べると頭が悪くなるなどという本を出したこともあるくらい、米はコテンパンにやられてきました。日本人の米離れだ、減反だと、あたかも自然にそうなったかのような言い草ですが、そうではありません。

私が小学生だった頃、給食は毎日が食パンでした。ごはんは週に1回だけでした。地元の農家は減反「政策」のため、つる豆や枝豆、果樹などの栽培を始めていました。いまではつる豆栽培で指南するほどの腕となりました。リンゴ畑が連なり、白い可憐な花と赤い丸い果実が稲穂の代わりに並びます。我が家は兼業農家でしたので、つる豆の収穫は家族総出でした。

懐かしい思い出です。

それはさておき。

食品の値上げです。あらゆるものが値上がりしていますが、旬の野菜と米は価格が安定しています。豆腐や納豆などの大豆製品は大豆を輸入に頼っていますが、今のところ大きな値動きはありません。国産大豆は元々それなりの値段です。魚は養殖以外は元々漁獲量によります。ウルメイワシが安かったですよ。和食も中華もフレンチもいけますよ。

食品の値上げをきっかけに、自分たちが食べる物はどのようにして自分の口までたどりつくのか、想いをめぐらせてみるのもいいものです。当たり前のように思っていた食品の価格の、そのからくりを少しのぞいてみてはどうでしょうか。

自分が好きな食べ物から世界情勢を見るのも楽しく、興味深く、味わい深いものです。私はコーヒーが大好きなので、コーヒーを通して世界を見るのが好きです。とある自家焙煎珈琲のお店で、はじめてブルンジという小さな国を知りました。アフリカの中央あたりにあるケニアの隣の国です。コーヒーを通して世界を見ることは楽しいことばかりではありません。チョコレートと同様の苦みがコーヒーの世界にもあります。我が家のキッチンで淹れるコーヒーが世界につながっていると思うと、世界は広いと同時に小さくもあるのだなと奇妙な感覚がします。

卵や小麦粉、加工食品が高いからってなんですか。元気出して、お米と魚と野菜を食べましょう!