厚労省のガイドラインが離乳食のすべてではありませんよ!

こんにちは。BeBRAVE.Sビーブレイブエスの明正明美(みょうしょうあけみ)です。

先日雑誌ESSEの別冊、タサン志麻さんの「a table SHIMA」の最新版vol4春、何でもない日のいつものごはん を見てびっくりしました。

3人のお子さんがすごく大きくなっていました!

vol1が出たときはタサン志麻さんは第三子をご懐妊中で、大きなお腹で料理をしていました。vol2では、赤ちゃんを抱っこしていまし。その赤ちゃん(女の子です)がもう1歳とのことで、立ってました。上の二人の男の子はすっかお兄ちゃんになってました!

よそのお子さんの成長って、ほんと早いですね~(笑)

タサン志麻さんは、「a table SHIMA」のなかでいつも、フランス流子育て事情というものを少し書いてくれています。フランスでは赤ちゃんでも父母とは別室で寝る、夫婦と子どもの寝室は別、食事は大人が食べ終わるまで子どもも席を立たないなど、日本とは異なるきまり事や習慣がおもしろいなと感じます。

vol2では、離乳食について書いていました。フランスの離乳食はとにかく手軽とのこと。基本的には大人と同じものを与えるそうです。たとえば、ポトフを作るとき、味付け前に野菜を取り出してマッシュし、すぐに食べない分は、製氷皿で冷凍します。赤ちゃんにあげるときは、ほうれん草とりんごというようにミックスするそうです。そうすればバランスよく食べさせることができるとのことです。

そういえば、志麻さんはレシピ本でも、離乳食について、フランスでは味は薄味が基本で、塩味は個人の好みでテーブルで足すということを言っていました。

ここは和食との違いです。というか、日本の習慣との違いでしょうか。日本ではおもてなしブームに見られるように、かゆいところに手が届くみたいな、言わなくても好みの味付けにするといった配慮が求められています。そして、レストランではテーブルに塩がないところが多く、調味料を加えられることを嫌うシェフが多いように思います。

でも…味覚って、本来人それぞれですよね。そのときどきですよね。シェフの自慢の一皿でも、薄味で物足りないなと感じたり、コクがあるのが売りというけど、自分的には物足りないなとか。薄味ですって言いながら、くどかったり…

食べる人が自分で加減するというのがフランス流で、だからこそ離乳食もいっしょに手軽にできてしまうのかもしれません。

タサン志麻さんのフランス流をそのまま真似する必要はないけれども、日本の厚労省指針に則った、管理栄養士が監修している本を絶対視する必要もないと思うのです。

日本人は良くも悪くも真面目な人が多く、示された指針を無理をしてでも守ろうとします。でも離乳食だけではなく、育児全般というか、物事全般には絶対的に正しいものはなく、すべてが相対的、比較してどうかというものだと思います。そうであれば、国の指針や誰かのこうしたらいいとか、こうすべしという考えを妄信したり、服従というのは、自分自身が苦しく、またあまり実益がありません。

外国の子育て事情を知ることは、真似するためではなく、多様な考えややり方がある、ということを知るためにとてもいいと思います。

かつて乳幼児施設で保育士として働いていたとき、食事についてはドイツ人シスターである高齢の院長とスタッフはわりかし意見がぶつかっていました。

院長は冷凍食品などの加工品を一切みとめず、朝食のパンも週1回以上はみとめませんでした。院長は「手作り」にこだわっているのだと、私たち日本人スタッフは思っていました。そうではないということに気付いたのはずいぶんあとです。

院長が徹底してこだわっていたのは、「安全」でした。院長は日本の加工品を全く信用していませんでした。日本で売っているパンはアメリカを真似したお菓子だといい、こどもの朝ご飯をお菓子にすることは許しませんと頑固一徹でした。

今ならわかります、でも、当時はわかりませんでした…

ドイツ人の上司の下で働きながら、ドイツという国やその国に住む民族について知ろうともしませんでした…おおいに反省しています。

離乳食からずいぶん話が逸れましたが、育児中だとどうしても、切羽詰まってつらくなってしまうので、どこかで風穴をあけたほうがいいということなんです。

子どもに関わる仕事の中で、いろんな国のお母さんお父さんを見てきました。中国、フィリピン、韓国、アメリカ、カナダ、ボリビア、イラクなど。ところ変われば、育児に関する考え方も全然違います。それおかしい!ということもあります。笑えることもあります。おお~なるほど!と思うこともあります。それが風穴です。

心に風穴をあけて元気よくいきましょう!