こんにちは。BeBRAVE.Sビーブレイブエスの明正明美(みょうしょうあけみ)です。
しばらく過ごしやすい日が続いたかと思えばまた猛暑の復活ですね⋯それでも日は確実に短くなり、朝の目覚めも少しずつ遅くなりつつあります。
いつの頃からか、お盆休みというものが官庁や銀行からなくなり、カレンダー通りの営業となったせいか、「お盆」というかんじがしません。
運転中ところどころで路上駐車をみかけ、不審に思っていたら、道沿いのお墓参りでした。
旧盆のこの時期は日本という国家にとって「終戦」(敗戦と言うべきと憤る、いわゆる左派の人たちもいますが、戦争に勝者はいないとの見解に立てば、むしろ終戦のほうが適切です)を迎えたときであるため、少しばかり感傷的な、神妙な気持ちになってしまうようです。
昨日、富山のほとり座で映画「東京裁判」を鑑賞しました。5時間近くの作品で途中15分の休憩を挟んでの上映でした。高校生の娘を連れて行きましたので一応の予備知識は与えてありましたが、当然ながら難しい内容で、寝ないようにがんばるのが精一杯のようでした⋯
ウェッブ裁判長の英語での刑の宣告、「デス・バイ・ハンギング(絞首刑)」だけはかろうじて聞き取れたとのこと。
終身禁固刑や有期禁固刑はすぐに字幕が出るのですが、絞首刑は言い終わるまで字幕が出ないのです⋯
2年以上にわたる裁判の記録を(ナチスが裁かれたニュルンベルク裁判が9カ月で終わったことを思えば異例の長さです)5時間に収めているのですから、作者の意図があり、それをどう読むかという読み取り能力の問題はあるにせよ、この映画をもって東京裁判を理解することはできません。
それほど多くはない席はもちろん満席にはほど遠く(鬼滅の刃でさえそうなのですから)、年配の方の姿が目立ちました。(残念ながら若者の姿、30〜40代の人でさえ少なく、60以上に見える方々ばかりでした)
東京裁判については、いわゆる右派左派ともに、戦勝国による一方的な裁きであったとする見解は一致しており、その点は映画でも焦点となっていました。
しかし、だから日本は本当は悪くない、経済的に日本を追い詰めたアメリカが悪い、日本はアジアを列強から解放したのだと言いたい人にははなはだ不満の残る作品だったと思います。
裁判の不当性を訴え、全員無罪を主張したインドのパール判事のことはもちろん触れられていましたが、日本を擁護してはいないと念押しまでしていました。(わざわざ、敢えてそうしなければならないほど、現実を受け入れられない人はパール判事の1200ページにも及ぶ判決書を都合よく利用し、それにすがるからだと思います)
いろんな見方、考え方がありますし、消化に時間がかかります。
すでに歴史が記しているように、裁判が始まる頃には裁いた側の連合国は、連合国という名が体をなさないほどに決裂していました。
印象的だったのは共同謀議の罪に対し、裁かれる被告(日本の首脳)が、共同謀議などお恥ずかしいほどに我々はバラバラだった、海軍陸軍はいがみ合い、北といえば南、右といえば左、何一つ協議などできておらず、ただ右往左往し、暴走していっただけ、このような趣旨の発言をしていたことです。
また、訴えを認めるか、無罪を主張するかを最初に答えるという英米法の慣例がよくわからず、弁護人に言われるまま無罪を主張した日本人というものが、この戦争の本質を表しているとのナレーションがずっと心に引っかかっています。
これは、たぶん今も同じではないかと思います。戦後の日本はアメリカの影響を今現在まで受け続けていますが、アメリカという国家(アメリカ人)を真に理解したい、理解しようとする心は全くなく、否アメリカのみならず、他者がどのような考えを持ち、背景にはどのような文化があるのか、そういったことにまるで無関心で無頓着、まるで世界は自分や自分たちだけ(の思惑)でできていると無邪気にも思っているようです。山本七平がいう「日本教」とはこれなのかなと、ぼんやりと感じました。
きりがないのでここまでにしておきます。
まだまだ続く暑さに留意してお過ごしください。