こんにちは。BeBRAVE.Sビーブレイブエスの明正明美(みょうしょうあけみ)です。
みなさん、「男性版産休」をご存じでしょうか?
つい数日前に改正育児休業法が成立し、「男性版産休」なる新しい制度ができました。
テレビ、ラジオ、新聞、ネットニュースでも伝えられました。
でも、男性版産休と言われても、なんだか「は~?」ってかんじです。
なぜって、産休と言えば、女性が妊娠・出産したときの産前産後休業制度であり、労働基準法にも「女性」と明記してあります。
実はこの制度の正式名称は「出生時育児休業」です。
ご存じのように育児休業は制度ができた当初から男女問わず利用できました。
しかし、男性の取得率はずっと1%未満か1%台でした。
なんとか男性の育休取得を増やそうと、2010年の改正で新しくできたのが、「パパ休暇」という制度です。
これは、男性(夫)だけの特例として、配偶者(妻)の出産後8週間以内に1回(日数は問わず)育休を取得しておけば、その後理由を問わず、再度育休を取得できるというものです。
なぜこれが特例かというと、育児休業は原則1回しか取れないからです。
早く職場復帰したくて8カ月ぐらいで育休を終了したとします。
でも、やっぱなんかしんどいな。両立は無理か…
子どもが1歳になるまでの残り数か月、もういっかい育休取ろうか…
ということができないのです。
これができるのは配偶者の死亡や病気、別居など、特別な事情があるときだけなのです。
女性の産後の負担を軽減するために、あえて、このような男性だけを優遇したかのような制度を作ったのです。
でも知名度は非常に低く、男性の育児休業そのものの取得率も一けた台から抜けられませんでした。
そして、今回の法改正です。
妻の出産後8週間以内というところは同じですが、今回は4週間を上限にしています。
ただし、2回に分割ができます。
それと。
メディアは男性版産休ばかりを取り上げていましたが、この改正の最も大きな目玉は、男女ともに(パパもママも)育児休業を2回に分割して取得できるようになったことです。
これまでのような特別な事情や、男性のパパ休暇の場合のみではなく、理由を問わずです。
なので、今までのパパ休暇はなくなり、男性版産休制度と、それとはまったく別の規定で、2回分割取得ができるということです。
男性の場合は、最大4分割ということです。
とてもややこしいです。
でも、それだけ出産後の女性の置かれている状況が厳しいのだと思います。
パパ休暇も今回の男性版産休も産後8週間を非常に手厚くするためのものです。
里帰り出産ができない。
帰る家がない。
帰っても気づまり、気兼ねなく帰れない。
母親と折り合いが悪い。
仕事から帰って家事ができていないと不機嫌な夫にびくびく
……
出産後のツラさはなかなか男性には理解してもらえないものですが、国としては、なんとかここをフォローしたいと思っているのです。
うまくいっているとはいいがたいです。
それでもここに力を入れています。
私は両立支援プランナーとして各企業を訪問していますが、男性の育休については、女性からも厳しい言葉が聞かれます。
育休を取ってもかえって妻の負担が増えるようではいけないのです。
だから、男性が育休を取ることはとても大事なことだけど、妻のことを、女性のことを、女性の心と体のことを少し学ばないといけないのです。
どこで?誰に教えてもらう?ドクター?保健師?
それもいいですが、叱られそうで嫌だな…と思われそうなら、同じ男性で、同じ目線で、自分もかつてはダメだった…そんな失敗談も交えて教えてくれる人がいます。
埼玉県の株式会社アイナロハの代表、渡辺大地さんです。
助産師志望の学生にも講義されています。
両親学級や父親学級、夫婦のあり方など、多彩な切り口で話をされています。
ぜひ、大地さんの失敗ぶりから勇気をもらってください。
BeBRAVE!