新年度疲れには世間に背を向けてみることをおすすめします

こんにちは。BeBRAVE.Sビーブレイブエスの明正明美(みょうしょうあけみ)です。

ソメイヨシノが散り、新緑の青葉が猛烈な勢いで萌出てきています。すでに暑さを予測させる緑の攻勢です。宇宙飛行士ガガーリンは、「地球は青みがかっていた」とつぶやいたそうですが、自然を破壊し神のごとく地球に君臨しようとした人類は自然に負けて、そこらじゅうが緑です…街路樹のハナミズキが赤みを帯びたピンクと白の花弁で少しばかり可憐な抵抗を見せています。

新年度の疲れがそろそろ出てくる頃かと思います。ゴールデンウィークという関門もあります。(私はこの成金ネーミングの短い休暇とはほとんど無縁ですが、多くの方が被害を被っていますよね😑)

敢えて世間に背を向けてみるのはいかがでしょうか?

いえ、けっしてたいそうなことをすすめているのではありません。

ゴールデンウィークを存在しないかのように無視するとか、100年以上前の長編小説を読み始めるとか、絶対役に立たないマイナーな言語を覚えるとか、家に今ある食材でどこまで「文化的な」生活が可能か挑戦してみるとか…

注目を集めない、ひっそりとした取り組みがいいと思います。満足すると、ついSNSなどでご披露したくなるかもしれませんが、それさえ憚られるほどのバカバカしいことがいいです。

何も思いつかない方は、小説でも読んでみたらいかがでしょうか。

私は年間1000冊程度の本に目を通しますが、小説はほとんど読みません。面白そうと思って図書館で借りても読まずじまいで返すことが多いのです。先日もそのつもりでいたところ、どうした風の吹き回しか、ある本を手にとって読んでしまいました。短かったのです。

国木田独歩の「画の悲しみ」という作品でした。代表作である「武蔵野」さえ読んだことがありませんので(国語の教科書に載ってる作品でしょうか?勉強嫌い苦手の私には無縁でした)、こんな作品の存在じたいを知りませんでした。友情について書かれたものでした。

ちょっと話が脱線するように思うかもしれませんが、ガマン出来る方はガマンをお願いします😓

小さい頃から私立などの学校に通っている人は別ですが、ふつうに公立の小中学校に通っていると、級友にはいろんな子がいます。日本は格差格差と昨今はやかましく騒いでいますが、外国に比べるとそれほどでもなく、いくつかの高級住宅地のほかは、公立の小中学校は親の職業や学歴、社会的地位に関係なく同じ地域の人間が集まっています。

子どもたちは勉強の出来不出来や、親の金のあるなし、容姿の出来不出来にそれほど頓着せず、気の合う、馬の合う仲間でつるんで遊んでいます。今はそうでもないという意見もあるかと思いますが、諸外国との比較でいくとまだまだのんきなかんじです。

自分の選択によらない、偶然による出会いがもたらす面白さ、かけがえのなさというのがあります。小中学校のときの友人というのは、二度と戻らない人生の一場面としては格段に面白く、貴重なものです。そして、そのことを当の本人たちはちっともわかっていないのです(笑)、ですからバカバカしいことばかりやってます。思い出とか、そんなケチくさい気も起こさず(笑)

「画の悲しみ」はそんな人生の一場面を思い起こさせます。

とても短い作品です。最後のほうに、闇にも歓びあり、光にも悲しみありの言葉があります。過ぎ去った日々が二度と戻らないことを知らない者はいません。

10代の2人の、時間が永遠に続くかのような、ただただ今を生きる姿が、失った後の寂寞との対比において胸を締め付けるほどに楽しいのです。

ストレスフルな今もやはり流れてしまえばそれまでです。回顧するときが何十年か後にあるだけです。

青空文庫で読めます。興味のある方はぜひ。

画の悲しみ

世間に背を向けてみて、なにか不都合があれば向き直ればいいですし、特になければ時々やってみるのもよしですよ😊