絵本の読み聞かせ、何のため?

こんにちは。BeBRAVE.Sビーブレイブエスの明正明美(みょうしょうあけみ)です。

今年は夏の到来が早いようです。アジサイが例年よりも早く色づいていて、目と心を楽しませてくれます。

きょうは、絵本と子どもの発達について少しお話をしたいと思います。

小さなお子さんのいるご家庭ではさまざまな絵本を取り揃えていらっしゃるのではないかと思います。小学校入学ぐらいまでは、お母さまやお父さまなど大人が読み聞かせをする場合がほとんどですが、なぜ「読み聞かせ」をするのでしょうか?読み聞かせの何がいいのでしょうか?

エリック・カールさんの有名なエピソードがあります。どんな本を選んだらよいかとの質問に対し、電話帳でもいいんです、と答えているんですね。(今は電話帳自体を知らない方もいると思いますが…)

つまり、小学校入学前ぐらいまでのお子さんの読書(読み聞かせが主です)の意義は、親と子のコミュニケーションなのです。これは図書館学の児童サービスにおいても認識されています。コミュニケーションツールが絵本なのです。これが第一に挙げられます。絵本以外にもわらべうたや手あそび、スキンシップなどがあります。何もないよりは、絵本などがあったほうがいいというかんじでしょうか。絵本にこだわる必要はないのです。

では、絵本の読み聞かせも含めて子どもの読書は成長にどのような役割を果たすのでしょうか。

ひとつは、絵や文字はシンボルであり、そのものではないということを認識します。絵や文字は「そのもの」ではないけれども、絵や文字によって「そのもの」を表すことができるということを知ります。ここで大事なことは、「そのもの」の経験です。実際に野菜や果物を見て触ってという経験と絵本でのシンボルが一致することです。実物の動物と絵本の中のシンボル、お母さんの絵と実際のお母さん…すべてが経験との相互作用です。

もうひとつは、絵本や物語に登場する人物や動物は「自分ではない」ということを認識します。自分ではないけれども、、その登場人物や動物を追うことで、自分とは異なる目線で世界を見ることができます。それは、自分が見ているのとは違った世界があるということを知ることであり、それが翻って自我の形成につながります。

もうひとつ付け加えるとしたら、実際には体験できないことを仮想体験することで、ワクワク、ドキドキしたり、つらい気持ちになったり、満ち足りた気分になったり、感情が揺り動かされます。感情が豊かであるということは人間性が豊かであるということです。

こどもの成長に従って読書の意義や役割は変化していきますが、日本は書籍に関しては豊かな環境にあります。お子さまが小さい時は図書館へ行くことが無理だったり、本を汚したり破いたりしないか心配であれば、インターネット上の古本を数冊購入してもいいですし、お子さんが成人して絵本の処分に困っている方も多いので、ネット検索などしてみると無料で譲ってくれる人がみつかることもあります。

お子さまが成長してくれば、図書館はとても貴重な本の宝庫になります。もちろん、リアル書店で購入してもいいですし、ブックオフなどは児童書が揃っていますし、ネットの中は実物の本の販売、電子書籍の販売が充実しています。

こどもは読書離れなどしていませんよ。本が身近になく、映像などが身近にあれば、映像を手にするのは当たり前の流れです。時間は無限ではないので、映像に時間を使いきったら読書の時間はなくなりますので、うまく配分してくださいね。

では、BeBRAVE!お元気で。