こんにちは。BeBRAVE.S代表の明正明美(みょうしょうあけみ)です。
きょうは育児休業延長の時の注意点についておはなしします。
育児休業は原則、子どもが1歳になるまで取得できます。
保育園に入所を申し込んだけど入れなかったなどの理由があれば、1歳半まで、1歳半を過ぎてもまだ入れなかった場合には2歳まで取れます。
育児休業は育児介護休業法に規定されている制度であり、要件に該当すれば、有期契約などの非正規社員でも取ることができます。
休業中の賃金支払いについては、特に規定がありませんので、支払わない会社がほとんどです。
休業中の所得補償としてお金を支給するのは全く別の法律である雇用保険です。
みなさんがよく知っている育児休業給付金がそうです。
もらえて当然!と思っている方が多いと思いますが、まさかのもらえない事態になってしまう方もいますし、延長のときにもらえないということもあります。
育児休業は「雇用継続給付金」ですから、当然ながら、退職してしまえばもらえません。
おめでた退職して、さ~て、あとは給付金をもらってのんびり…というわけにはいきません!
これはたいていの方がわかっているかと思います。
意外な落とし穴は保育園に入れずに延長する場合にあります。
給付金の手続きはハローワークが行いますが、保育園を管理している市町村からの「保育園落ちました」の証明がないと延長の給付金は認められません。
私が遭遇した明暗を分けたケースをお伝えします。
女性労働者が2人。
同じように子どもが1歳になるころ、職場復帰しようと思いました。
しかし、2人とも保育園の空きがなく、延長しました。
ひとりはA県A市のA子さん。政令指定都市に住んでいます。
もう一人はB県B市のB子さん。ふつうの市に住んでいます。
A子さんもB子さんも、保育園への申し込みはしませんでした。
なぜなら、申し込みをしようとしたら、「いっぱいです。入れません」と、市役所の担当者に言われたからです。
その結果。
A子さんは、市役所から「保育園落ちた」証明をもらえたため、延長後の給付金がもらえました。
B子さんは、市役所から「保育園落ちた」証明をもらえなかったため、延長後の給付金がもらえませんでした。
A市は、「保育園入れないと申し出れば」「保育園落ちた証明」を出します。
B市は、「保育園の申し込みをそもそもしていないのに」「保育園落ちた証明」が出せるわけないでしょう。との姿勢です。何度も掛け合いましたが、B市は、保育園の申し込みがマストだ、説明はしたはずだと譲らず、B子さんは知らない、聞いてない、空いてないといわれて申し込むはずがないじゃないかと半泣きでしたが、どーしてもダメでした。
B市の対応が普通です。A市は待機児童が多く対応が間に合わないため、わざわざ保育園を申し込むという形式を省いています。A市独自のやり方です。おそらく待機児童の多い都市部においてもこのよう取扱いがなされているのではないかと思われます。
ハローワークは国の出先機関(厚労省→労働局→ハローワーク)なので、独自の判断はできません。市町村がだした「保育園落ちた証明」がないことには、延長給付を認めることができません。
(*厚労省のパンフレットには、市町村から証明をもらうのが困難な場合はハローワークにご相談くださいとあるので、事情によってはなんとかなる可能性があるみたいです)
B市役所の対応にはかなり疑問は残るのですが、申請主義と言われる日本の社会保障。
知らないで損をするのを回避しないといけません。
育児休業は1990年代に制度化されました。当然の権利ではなく、勝ち取ってきた権利です。
権利の上に眠るものは保護に値せずという厳しい格言もあります。
がんばって、少し勉強してみよう!