こんにちは。BeBRAVE.Sビーブレイブエスの明正明美(みょうしょうあけみ)です。
きょうは「掃除」についてお話したいと思います。
ある月刊誌に、清掃・環境マイスターの新津春子さんの記事が出ていました。
新津さんの書籍は何冊か所有しており、掃除能力検定士5級試験の勉強中も新津さんの本を励みにしてがんばっていました。
新津さんは掃除とは「愛」と「やさしさ」であるといいます。
清掃をするとき、何のため、誰のためにやっているのかを自問すること。仕事として清掃する場合、お客様が快適で安全に過ごせる場所を提供するのが目的となるので、それを達成するには漫然と作業していたのでは十分ではない。家具などにぐらつきがあったとき、お客様のことが念頭にあるかどうか。単純に汚れを落とすことしか念頭にないと、普段通りの作業をして終わってしまうが、家具を使うお客様の姿を想像できれば、何かの拍子に部品が外れて事故につながるのを防ごうと、細かく調べるなり、上司に報告するなどして事前に対策を打つはずである。
お客様への愛とやさしさ。これがポイントなのですね。
仕事に慣れるにしたがい、徐々にこういったマインドというものが薄れていってしまうのです。久しぶりに新津さんの言葉に触れ、日ごろの自分の仕事ぶりを反省しました。
小さなお子さんがいるご家庭や、病気などで臥床している方がいるご家庭では、掃除機の扱いや音に常に気を配らなければなりません。
たまたま通院その他で、配慮を要する方がご不在だった場合、つい、よし!今のうちに日ごろできない部分をしっかり掃除しておこう!などと力んでしまいます。
そうなると、急ぎますから器具の扱いも乱暴になります。音の配慮も忘れがちです。
こういうときは、ミスをしやすいのです。
うっかり物を落としてしまったり、ぶつけたり、最悪の場合はご家族の方にぶつかるということも。
汚れを落とす、きれいにせねば!という考えに取りつかれてしまい、やさしさというものが完全に欠落してしまっているのですね。
小さなお子さんや病気のご家族の面倒をみている家族の方は、ほんの少しの時間でもゆったりとした気持ちになりたいはずです。それなのに、業者がガーガーうるさく音をたてながら乱暴に掃除していたら落ち着きません。
誰のため、何のためという問いを決して忘れてはいけないのです。
掃除に関するノウハウ本は多くありますが、中国残留孤児の父と中国人の母の間に産まれ、日本語もしゃべれないまま来日し、掃除で日本一となった新津春子さんの掃除の本が、私は一番好きです。掃除と愛は連想ゲームでもすぐにはつながらないような、一見すると隔たりのある言葉かもしれませんが、掃除はまぎれもなく愛だということを、新津さんを通して知りました。