こんにちは。BeBRAVE.Sビーブレイブエスの明正明美(みょうしょうあけみ)です。
みなさんはChatGptのような生成AIを使ってみたことありますか?
一昨年2022年の年末にChatGptが出てきて以来、生成AI関連のニュースを見ない日はないというくらい、取りざたされている技術です。私はChatGtpではありませんが、1年前ある生成AIでさっそくいくつかの文章を使ってみましたが、正直な感想としては「雑だな、間違いだらけじゃないか」「こんなものが人間の代わりになるのか?」でした。他のメディアもだいたい同じような感想でした。
新しい技術が出てきたときは多くの人が懐疑的です。しかし一旦浸透してしまうと、その技術がなかったときを想像することさえ困難なほどその技術に生活全般が頼ることになります。はたして生成AIはどうでしょうか。
ある新聞に、人工知能研究の第一人者である東京大学次世代知能科学研究センターの松原仁(ひとし)さんが医療者向けに行った講演の要旨が載っており、大変興味深い内容でした。なによりもわかりやすく生成AIのことが説明されていました。
「生成AIは医療に何をもたらすか」という講演タイトルですが、医療に限った話ではなく、一般的な内容だと思いました。少しご紹介しますね。
生成AIの「特徴」として次のような例を挙げています。
- 読み込んだ文献の意味は認識していない
- 論理的な推論はしていない
- 次に出てくる単語を予測している
- 出した文章や答えの正誤は判断していない
もっともらしい答えを正誤を気にせず答えているようです。
精度については、読み込ませる文献の量によるため、主に欧米の文献を読み込んでいるChatGtpの回答は欧米寄りということです。
気になる「実力」ですが、今では不正確な情報はかなり取り除くことができ、正確性が向上しているということで、日米の医師国家試験とアメリカの司法試験では合格水準を超えたそうです。法律は国によって異なるため、用途の幅を狭めて専門分野を絞れば、精度の高いものを安く作れるということです。
医療現場での「使い方」としては、医療スタッフの不足や負担増、長い待ち時間、情報の共有不足といった問題に対し解決の道が期待できそうです。AIは膨大な画像の読み込みができるため、画像診断や病名の候補を挙げる、カルテの原案作りなどの事務作業を担うなどです。論文の翻訳・要約も挙げられていました。
「課題」としては、空間認識能力が低く、目と耳がないため、現状では手術には不向きとされているようです。今後の改良によって可能になるかもしれないとのことです。AIが医師の相談役、サポート役になるかもしれないとか。最近のAIは「わからない」と答えられるようになり、すごい進歩だということです。
なるほど、と思いました。使い始めのころは間違ったことをもっともらしい言い方でどうどうと知ったかぶりしていて、それが批判の中心でしたから。(なんだか人間みたいですね、AIも…)
医療現場では答えの誤りは大きな課題ですので、複数のAIの併用で間違う確率を減らすことは可能としています。
最後に「今後のこと」が書かれていました。
自動車の大量生産が可能になったとき、交通事故などのリスクはあったけれども、禁止ではなく、交通法や免許制度が作られ、社会が活用する方向に向かったのは、メリットがデメリットを上回ると判断されたため。
AIも自動車と似ていて、世の中を変えるほどのメリットを伴った画期的な技術であり、個人の選択肢は別として、社会としては活用していく方向になるだろうとのことでした。
ただし、教育や人間の思考などに大きな影響を及ぼすことは間違いないとのことです。
医療分野も含め、生成AIに依存しない姿勢をどう作り上げるのか、AIを使う際の距離感とルールの整備が重要な課題であるとの言葉で終わっています。
いかがでしょうか。
私個人としては、使わないという選択肢は難しいのではないかと思っています。計算機や機械を使えば瞬間にできることを手作業でやる人は趣味とかは別として、いないですよね。AIも同じで、今後はAIをどのように使いこなすのかという点だと思います。インターネットの検索と似ていて、使い方によっては全く目的を果たせなかったり、時間がかかったりです。AIをどう使うのか、どう使わないのか、このスキルが問われてくると思います。
AIを使ってやること、やるまでもないこと(つまりAI云云ではなく、そもそもやらなくていいこと)を振り分けていくことになるかと思います。
目の離せない分野です。投資に興味のある方は半導体がこの技術とどうかかわってくるのかなど、エキサイティングですね(笑)いろんな人がいろんな記事を発信したりしています。自分なりの観測方法をみつけて未来を予測してみてくださいね。