こんにちは。BeBRAVE.Sビーブレイブエスの明正明美(みょうしょうあけみ)です。
東北地方の大雨といい、連日の猛暑といい、もはや日本は温暖気候ではなく、熱帯雨林の気候のようです…
テレビに映る光景は昨年同じ思いをした者として、とても他人事とはいえません。のんびり映画を観ていて遭難しかけました…翌日のわが町は完全麻痺でした。夏祭りは中止となり、スーパーなどの店舗はどこも休業、町中はレッカー車だらけ…
行方不明の方(警察の人までが安否不明なのです…)が無事であることを祈ります。
今日は賃金(雇用されている人が受け取るお給料のことです)のことをお話しします。昨日の新聞では最低賃金のことが大きく取り上げられていました。
最低賃金とは正規非正規問わず全労働者に適用される賃金(時給)の下限額です。
連合最低賃金とはhttps://rengo-ishikawa.jp/activities/minimum_wage/
全国平均は時給1054円という目安が決まりました。
現在石川県の最低賃金は933円で、最大上げ幅が50円なので、おそらく980円ぐらいにはなると期待してもいいのかも…?
目安を基に、労働側、経営側、公益(弁護士とか大学の先生とか新聞社の論説委員とか)の代表がやいのやいの言いながら落としどころを決めていきます。各都道府県労働局で8月頃からやってます。
今いろんな求人情報を見ていますと、時給1000円というのが多いなと感じます。
1000円というとそれほど悪くない気がしますが、最低賃金が933円ならそれより少し高い程度です。
最低賃金が800円台だと1000円は悪くない数字ですが、実は最低賃金は7年ぐらい前からすごく上げ幅が大きくなっています。
政府の介入が非常に大きいのです。雇用される労働者からすれば最低賃金は高いほどいいのですが、支払う経営側からすれば死活問題となります。社会保険料だって賃金に伴って上がるのですから。
でも経営者と労働者はいつも定位置とは限りません。個人事業主が誰かを雇用すれば最低賃金を守らないといけません。また、個人事業主が副業でどこかの事業所に雇用されれば最低賃金の適用があります。
経営者でありながら雇用される労働者でもある、またその逆もあり。
電気屋の経営者は食品その他電化製品以外の物を買うときは消費者です。商品を提供する側と消費者のように、人の立場は固定されておらず、流動的です。
審議会は白熱化するものですが、受け取るに足る適正な賃金、支払うに足る適正な賃金はどんな立場の人であれ無関係ではありません。これは賃金のことだけでなく、請負金額、落札価格などにもいえることです。
職業に貴賎がないことはいうまでもありませが(貴賎がいまひとつわからない人は平安時代を舞台とする大河ドラマ「光る君へ」でも見てください。まさに貴賎の世界です)、本来優劣もないのです。あるのはただ労力の差のみです。にもかかわらず、職務(ジョブ)を巡る悲喜劇が日夜繰り広げられています。
最低賃金とは、これだけ払えばいいという目安ではなく、最低ラインの金額です。それなのに、労力を問わず求人サイトには最低賃金ラインの仕事が山ほどあります。
職務(ジョブ)の概念がないのが日本社会の特徴です。ジョブに貴賎はないけれどもスクールカーストならぬワークカーストがあるのかもしれません。
突き詰めるに値する課題です。
テレビドラマ「ビリオンスクール」の職場版あれば面白いかも…
新しい最低賃金は10月頃から適用です。最賃時給の事業主さんはご注意を!
ディーセント・ワークにはディーセントな賃金を!