こんにちは。BeBRAVE.S代表の明正明美(みょうしょうあけみ)です。
ワーキングマザーのみなさんは、KYをご存じですか?
KY(ケーワイ)=空気読めない
10年以上前にこういうのが流行りましたね。
コロナ禍にあって、同調圧力が猛威をふるった日本社会(世間といったほうがいいですね)を象徴する過去の大ブームでした。
実は、KYにはもうひとつ、全く別の意味があります。
労災防止に欠かせない「危険予知」のことです。
きょうはこちらのKY=危険予知についてお話をします。
労災事故が起きるのは主に林業、鉱業、土木建築業、そして重工業の製造業、このようなイメージがあるかもしれません。
確かに、事故件数は多く、そのためにこれらの職種は労災保険料も高くなっています。
しかし、実際はその他の職種、特に危険と思われていない、低い保険料の職種でも労災事故は多数生じています。
オフィスワークにおける重大事故の原因で最も多いのが、キャスター付き回転いすからの転落です。
オフィスにある椅子はたいていがキャスター付きです。
ついつい、上部にあるものを取るときに、すぐ側にあるキャスター付き(そして必ず座面が回転するようになってますよね!)の椅子に乗ってしまうのです。
しかし。
キャスターは、椅子であれ何であれ、モノを動かすためにあります。
力を加えれば「動く」ということを危険予知しないといけないのです。
誰かに押さえてもらえばいいのか、ということではありません。
ストッパーをかければ大丈夫、ということでもありません。
押さえてもらっても、ストッパーをかけても、座面は回転しますし、それなら最初から「動かない」ものを使えばいいんです。
家庭内でも同じことがいえます。
製造現場であれ、オフィスであれ、家庭内であれ、事故の危険性は同じです。
家庭内の事故で亡くなるのは乳幼児だけではありません。
ほんのちょっとしたことが大事故につながり、死亡や高度障害を生じさせます。
製造現場での腕や脚、手指の切断、ときに死亡してしまう「巻き込まれ事故」は、信じがたいことですが、ちょっとした機械・器械の不具合を、機械・器具を停めないで行ったことが原因で起きています。
機械を停めるというのは、大きなものであれば勇気がいります。
作業がストップする、遅れる、生産高にひびく…いろんな思惑がかさなり、ちょっと、一瞬だけ…
その判断が命取りになってしまいます。
家庭内でも、電動ミル、ハンドミキサーなど、高速で回転する刃を使う器具があります。
お子さんがケガをしないように注意はされていると思いますが、自分自身に対しては慣れもあり、うっかりや見落としといったことがあります。
ヒューマンエラーは人間である以上起こりえます。
どうしてうっかりしてしまったのか?
どうして見落としてしまったのか?
慣れからくる過信だったたのか?
不慣れによる知識不足だったのか?
危険を予知して、点検や適切な器具の使用をする「やる」勇気、作業を停める、器械・器具のスイッチを切るなどの「やらない」勇気を持とう!
ブームとなった空気読めないKYと比べ、危険予知のKYはけっこう歴史があります。
昭和49年に住友金属工業が使い始めた言葉だそうです。
危険予知トレーニングともいい、こちらはKYTと略します。
産業界に定着しています。
第三次産業であるサービス業が多数を占める現在、労災はむしろ労災保険料の低いその他の事業で多くなっています。
その他の事業の数が増えているのだから相対的に増えるのは当然ともいえますが、危険予知(KY)という考え方が浸透していないからとも考えられます。
雇用されている人だけではなく、個人事業の人も経営者も、家庭や地域で活動する人も、みなが危険を予知して、事故を絶対起こさないと決意しよう!
なぜって。
およそすべての人の活動が社会貢献だからです。
だからこの世に存在しているのです。
企業も同じです。
どのような事業内容であれ、その活動は社会貢献となっています。
だからこそ存続を許されているのです。
この記事を書くにあたって、元労働基準監督官:東内一明(ひがしうち かずあき)さんの
『労働災害を防ぐ「しつけ」のすすめ』を参考にしました。
とてもとてもわかりやすい、基本の基本が書かれています。
800円+税金です。
地味な薄い本です。
でもすべての人にとって、バイブルになりえる本です。
ぜひご一読を!
こちらもお読みいただけたら嬉しいです。
ワーキングマザーは職場でも家庭でも絶対にケガしちゃダメです!労災ゼロを目指して!