こんにちは。BeBRAVE.Sビーブレイブエスの明正明美(みょうしょうあけみ)です。
車を運転していると、いたるところで満開の桜が目に入ります。行楽地に出かけなくとも、日常の中のなにげない場所の桜、山の木々の間や住宅地の中などのさくらのほうがむしろ美しさとしては優っているようなかんじがします。(行楽地に行けない者のひがみです…)
さて、きょうの話題は「性別」です。
性別とは男と女、生物学的にいうとオス(雄)とメス(雌)のことです。
ネタ本はノルウェーの女性医師2人が書いた『世界中の女子が読んだ!からだと性の教科書』という本です。漫画家の西原理恵子さんが、「正しい知識はあなたを守る最強の鎧です。女性の素晴らしい人生のために。」と推薦している、女性の体のこと、性行為、避妊、中絶、下半身のトラブルについて書かれた実用的な本ですが、今回取り上げるのは最初に記したように「性別」、ジェンダーに関わることです。
LGBTQ+は、正直なところ、トレンドだなと思います。もっと言えば、性の多様性をどの程度受け入れるかということがポリティカル・コネクトネスいわゆるポリコレ(政治的正しさ、政治的妥当性)を測る基準にさえなっていると思います。
性の多様性を尊重すること自体は歓迎すべきことです。ただ…今、とりわけ日本でのLGBTQ+の取り扱いを見ていると、左派と称される人たちに政治的利用されているような気がします。わかっていて時流に乗るかのように賛同している人もいれば、利用されていることに気づかず、性の多様性とさえ言っておけば、あるいは何らかの取り組みをすれば(例えば女子の制服にスラックスを加えるとか)遅れているとか、差別主義者と言われない、つまりポリコレを担保していると思ってしまう、ちょっと意識高い系の人や、風見鶏の人が多いように思うのです。
ジェンダーは人間社会が作り出したものなので、それを変えていこうとするのは一つの方向性であり、即座にいい悪いとは言えないのですが、性の多様性を認めない人たちとどのように折り合いをつけるのかといったことはまったくスルーされているようです。(性の多様性を認めないような人たちは排除されるべきとでも言うのでしょうか?)
人間社会が作り出した性別の役割に対して、体としての性別は非常にはっきりしていて、これを否定することは無理だ(だからこそ、体を心に合わせたり、それを法律が許さなかったり、問題と混乱を引き起こしているのですが)と私たちは思っています。
ところが…
そうでもないようなのです。この本のわりとさいしょの部分にそのことが書いてありました。
女性であるか男性であるかを決めるのは、性器や体の特徴ではない。さらに言えば、身体的な差はみなが考えているよりもずっと小さい。
性別を決める染色体は23対(46個)のうちのたった1対のみ。それが遺伝的な性別を決める。組み合わせによって性別が決まる。
できたばかりの胎児は、染色体の組み合わせ以外は完全に同じ。胎児の生殖器には性別がなく、いずれかの(または両方の)性別になる能力を備えている。胎児の内性器は精巣にも卵巣にもなれる。
Y染色体(男性を作る)があると男性ホルモンにさらされて男性になるが、なんらかのエラーがあると女性性器が作られてしまい、その結果、遺伝的には男性だけど、女性の性器を持った赤ちゃんが生まれてしまう。(男性ホルモンという特殊コマンドがない場合、自動的に女性性器が作られる)
女性の外性器(外陰)はあるけど子宮がなく、卵巣の代わりに精巣があるとか、卵巣の代わりに睾丸がある状態で生まれるなど、医師がとっさに女性とも男性とも判断できない場合がある。
ノルウェーでは1990年代まで、性別があいまいな外性器で生まれてきた赤ちゃんは手術で女性にされていた。(性別とは社会に順応するための教育によって確立されるものという前提があったため)いまでは、検査に数年をかけ、両親との話し合いで手術のタイミングを決めている。
いかがでしょうか。私はかなり意外に思いました。
最後に、心理的な性別について書いてありました。
心理的な性別を生物学の観点から説明するのはむずかしい。心理的な性別はアイデンティティの問題、つまり自分自身をどう認識するかの問題だから。とても個人的な問題であり、何が正しいかは当人にしかわからない。
人間社会が生み出した性的役割に苦しむ人が多くいて、そういう人たちを救済するためにLGBTQ+という考え方が広がってきた。ありがたいことです。でも、「性の多様性を受け入れないのは遅れている、差別的、偏見だ」と受け入れを強制するなら、性的役割を押し付けてきた旧来の社会と同じ。主張が異なるだけです。
人間の性も面白いですが、他の種(昆虫とか植物とかその他遺伝子の大部分はおなじだけどちょっと違う部分で見た目も性能も異なる生き物)の性を知るのも面白いですよ。
これからどんどん暑くなりますので(今年は去年の記録を上回ると思います)体調管理をしっかりなさってください!