こんにちは。BeBRAVE.S代表の明正明美(みょうしょうあけみ)です。
きょうは「時短」についてお話をします。
忙しいワーキングマザーのみなさんは、「時短術」にとてもくわしいのではないでしょうか。
単なる時短と「時短術」は違います。
時短術は「術」ですから、生産性や効率といった要素が当然入ってきます。
一方の「時短」は単純に時間が短いのです。
法律上の時短は、育児介護休業法やパートタイム労働法に規定するように、フルタイムよりも短い時間の労働のことを意味します。
ワーキングマザーのみなさんが実践しているのは「時短術」であり、成果を上げている方も多いと思います。
時短や時短術でキーワード検索をするといろんなアイデアが出てきます。
家事に関することと仕事に関することが多いです。
すぐに真似をしたくなるようなすばらしいアイデアもあります。
ただ、気になるのは、家事に関してはもっぱら女性が、仕事との両立という忙しい中で、どうやって家事や育児をこなすかという観点からのアイデアばかりであり、しかも、フリーランスや個人事業主、パートタイマーの方が書いているものが多いのです。
たしかに、家事などは際限のないものですから、工夫やアイデアは大事です。
でもやはり、雇用されているフルタイムの女性には無理があります。
仕事に関しても、これで年収1000万円超えました的な、やはり、普通に雇用されている人にはできなさそうな時短術ばかりです。
あれをしない、これをしないなど「しないことリスト」がのっていますが、中小零細企業で働く人にはそのような裁量はほとんどありません。
また、速読術とかいうのも一部のビジネスマンに人気がありますが、いくら早く読んでも、いくらいっぱい読んでもキリがありません。私は定期購読している月刊誌なども含めると年間700~1000冊ぐらい本を読みますが、術は使ってませんし、得もしていません。情報の習得方法として書籍が自分に敵しているだけです。自分のペースでできる数少ないことの一つが本を読むことです。
どんなに優れた術でも工夫やアイデアといった個人の努力だけでは限界があります。
家事や育児であれば、家族とシェアすれば自然に時短となります。
術もへちまもありません。
育児介護休業法の短時間勤務と同じです。
パパが自分のことを自分でやる。
子どもが自分のことを自分でやる。
これだけでママの時短は達成できます。
仕事も同じです。
いわゆる「お茶くみ」問題は昔からありますが、これに類することは多いのです。
コピー取りとか、チケット予約とか、ちょっとした調べものとか。(なかにはそもそもしなくても全然いいものもあります)
女性を秘書のように使う人がいますが、自分でやるという決まりにしたらいいのです。
また、激安大量注文を受けて「時短術」で乗り切るのも無理があります。
女性が家事育児を担うことを前提とした時短術、労働者の生産性や効率を前提とした時短術というのは、住宅ローンや保険料、通信費といった大きな金額の固定費用を見直さないまま、特売食品や日用品だけで節約するようなもので、それこそ生産性の低いことです。
家事も仕事も「シェア」することで一人一人の負担は軽くなります。
どれもカンタンにできることではないけど、今は時間がかかっても、少しずつでもシェアする部分が増えれば、負担が軽くなるだけじゃなく、担った人の力にもなるはず。
最後にワーキングマザーへのちょっとした提案。
自分の能力ではまだできないこと、無理なことってあると思うけど、それを少し「シェア」してもらって、体験してみよう。
新しい仕事は待っていてもなかなかこない。自分のチャレンジ精神を見せる機会は自分で作ろう!
腹の立つ上司の気持ち、ほんのちょっとだけどわかるかも。