安倍元総理襲撃事件は民主主義とは関係ありません。

こんにちは。BeBRAVE.Sビーブレイブエスの明正明美(みょうしょうあけみ)です。

先週末は安倍元首相襲撃事件で日本中が混乱に陥っていました。

参議院選挙投票日の直前だったこと、応援演説の最中での衝撃的な事件だったことなどから、当初は安倍元首相の政治信条に対するテロ行為と推測され、政治家が口をそろえて「民主主義の危機」「民主主義への挑戦」とコメントしていました。

選挙という民主主義の根幹をなすイベントの真っ最中ですからわからなくもないですし、政治家として、そう言わねばならないのはわかるのですが、民主主義の連呼に違和感を持ち、テロ行為以上の恐怖と不気味さを感じたのが正直なところです。

なぜなら、ユダヤ人せん滅を成し遂げそうになっていたヒトラー率いるナチス党は民主主義によって生まれたからです。ヒトラーは民主主義によって生まれた独裁者だからです。ヒトラーはワイマール憲法を変えることなく、うまく利用して合法的に独裁者になったのです。

ドイツ国民がヒトラーを総裁に選んだのです。ヒトラーはドイツ国民に合法的に選ばれた「独裁者」です。

民主主義は多数決で物事を決めるやり方です。多くの国民の民意を反映しています。9対1でも、5.1対4.9でも、多いほうが民意ありです。1でも4.9でも少ないほうが多いほうに従うことになります。自分かんけーないと、選挙に行かなかった人も関係なく、多いほうに従わなくてはなりません。かんけーないしと、選挙に行かない人が多ければ多いほど、自分たちの民意が通りやすいという奇妙な性質を持っているのが民主主義です。民主主義は万能ではなく、今のところ、それに代わるものは発明できていないので、とりあえずなだめすかして修正を繰り返しながら運用している、その程度の制度です。民主主義が馴染まない人たちもいますが、そういう人たちは、遅れている、野蛮であると批判されています。

民意を反映した政権の強硬政策について、反対派の知識人たちは、民主的ではない、日本は民主主義がなくなったのかとシリアスな顔で言いますが、多くの人が望んだから(国民の比率からはたいした数ではなくても、選挙においては大多数の人たち)そうしているのです。安部さんだって、民意を反映しているとの自負があったからこそ、強気の姿勢を続けたのです。

襲撃事件の犯人ですが、実は早い段階で、政治信条によるものではないと言及していました。民主主義は関係ないのです。それなのに民主主義の問題にして、選挙圧勝となると、震える声でのコメントや怒りのコメントにまでいらぬ疑いを持ってしまいそうです。どうやら個人的な、宗教がらみの、勘違いによる逆恨みのようです…安倍元首相とその宗教の関係がどの程度のものなのかはまだよくわかっておらず、犯人が「宗教のせい」と言っている、母親の破産もはたして、ほんとうにそれが原因なのか、まだ解明は不十分です。

それよりも、この事件の恐ろしさは、犯人が銃を手作りして実際に使ったこと、爆弾も作っていたこと、銃本体よりも入手が困難な弾を、入手以上に困難であるといわれる弾の手作りをしたことです。

なんでも外部に依頼するアウトソーシング流行りの今のご時世に、ぜんぶ自分で調達して作るという原始的なやり方で社会に挑戦していることです。

決してほめるつもりはありませんが、弱者の逆襲として戦慄を禁じ得ませんが、一方で、あっぱれともいえます。

インターネットであらゆる情報が手に入るとはいえ、銃の材料を入手して、作って、手薄の警備をいいことに、要人を背後から襲撃するとは、おそるべき反社会的行為です。

最後に。

こういった恐るべき事件の報道に関して、映像垂れ流し状態のテレビをそのままつけっぱなしはいけません。小さなお子さんや小中学生のお子さんはもちろんですが、高校生・大学生でも、親の配慮は非常に大事です。