親ができることは、子どもが漁に出るための深く豊かな大海を用意することです。

こんにちは。BeBRAVE.Sビーブレイブエスの明正明美(みょうしょうあけみ)です。

汗ばむような気温からみぞれが混ざるような冬日に一気に変わり、変化の激しさに体がついていきません。インフルエンザに加え、プール熱も感染が拡大しており、関西や九州を中心に警報レベルとなっています。睡眠や食事をしっかり行い、体を適度に動かすなど免疫力アップに努めるとともに、手洗いや消毒、タオルの個別化などの感染防止もしっかり行って防御してくださいね。

病気からの挑戦には人類の知恵で応戦しましょう!

さて、きょうは子どもと本についてお話しますね。

みなさんのご家庭にも絵本など子ども向けの書籍が多くご用意されていると思いますが、就学前の読み聞かせがその後の子どもの読書時間を伸ばすことが調査によって明らかになっています。(ベネッセ)

読書と学習の関係も明らかになっており、読書習慣のある子は成績もよいとの結果がでているため、読書=よいこと、という認識はできつつあります。ただ…読書を知育と結びつけて捉えてしまうと、かえってこどもの能力の伸びを抑えてしまうリスクもあります。

本を読むというのは能動的なことです。

今の時代は書籍などなくても情報はいくらでも取得することができます。テレビやインターネット、チラシやDMからは津波のように情報が押し寄せてきます。SNS(FacebookやTwitter、Instagram、LINEなど)はAIによるアルゴリズム、広告によって似たような情報ばかりが入ってきますが、これらはみな受け身の情報ばかりです。取捨選択の余地もなく、まさに津波のように押し流されてしまい、残るものは何もありません。というか、津波と同様に使い物にならないゴミばかりです。

一方で読書、本を読むという行為は「漁」みたいなものであり、自らが出向かなければ何も得られませんし、からきしの不漁もあります。しかし、ときに大漁もあり得るのです。自ら求めて得た知識は自らの糧となります。

子どもたちの力となり得るのは与えられた知識ではなく、自ら獲得した知識です。

深く豊かな大海を用意することが親の役割です。最初のうちは絵本は親子のコミュニケーションのおまけみたいなものです。なくてもかまわないけど、あればいいかなという程度です。絵本を選ぶ段階になったらぜひ長い年月を耐えて読み継がれているロングセラーのものを基準にしてください。図書館で借りてもいいですし、ブックオフなどのチェーン店で購入してもいいですし、Amazonなどのオンラインで購入してもいいと思います。古典作品は出版数が多いので、100円からあります。

よい本を選んで与えるとともに、お子さん自身で選ぶという体験もぜひ取り入れてください。どんなによいものでも、強制的に読まされるのはいやなものですから…

そして、どんなにいい環境を用意したところで、子どもは親が思ったとおりにはなりません。学校が誘導しても同じです。小中学校では朝読書を取り入れ、学校図書館で借りて冊数を競ったりしていますが、年長になるにつれ子どもたちは本を読まなくなっています。

親が子どもにしてあげられることはそれほど多くはない。これが私の持論です。反対意見もあるかと思います。子どもの教育を考えるきっかけにしていただければと思います。