子どもを孤独にするのは母の就労ではなく、母との会話の少なさです。

こんにちは。BeBRAVE.Sビーブレイブエスの明正明美(みょうしょうあけみ)です。

朝夕と日中との寒暖差が大きくなってきているかと思えば、今日のような朝から暖かい日もあるなど、体調を崩しやすい時期です。上に羽織る上着や、首筋に巻くスカーフ、膝に掛ける薄手の布など、暑さ寒さを調節するものを工夫してお使いくださいね。ほんの少しのことですが、体の負担が軽減されます。

少し喉に違和感があるなと思ったらあたたかい塩水(少し濃い目がいいですよ)でうがいをしたり、なるべく温かい飲み物やたべ物を摂るなど、体をいたわってくださいね。ご家族のお身体には常に気を遣われているお母さま方も、ご自分のお体については無頓着な方が多いのではないかと心配になります…

さて、きょうは、労働政策研修・研究機構(JILPT)の労働政策フォーラム「外国にルーツを持つ世帯の子育てと労働を考える」から少し興味深い考察をお知らせしたいと思います。

調査対象となっているのは、両親のどちらかが外国籍、あるいは両親ともに外国籍の子どもたちとその親であり、子どもたちの生活実態、そして彼らの親である外国人労働者の雇用実態について調査・考察されています。

比較対象として両親ともに日本人の家庭も出てきます。

母親の就労によって子どもの孤独感はどのように変化するのかという調査結果がありました。

外国人母も日本人母も、就労していない母親に比べると就労している母親の場合は親子の会話が減り(調査では全く会話しないとなっています)、その結果、子どもの孤独感は増しているのですが、興味深いのはその中身です。

日本人母の場合、日中だけ就労に比べ、早朝・夜間就労では「全く会話しない」は増えてはいるのですが、それほどの増加ではなく、調査上有意な差はないとなっています。しかし、外国人母の場合、就労していないに比べ、日中だけの就労では会話がかなり減り、早朝・夜間では「全く会話しない」が非常に多くなり、差が大きいのです。

日本人母の場合、不就労と就労、早朝・夜間就労はそれほど子どもとの関係に差はないのですが、外国人母の場合、就労でてきめんに親子間の関係が悪くなってしまうのです。

研究者の考察として、「子どもが得意とする言語(日本語)と親が得意とする言語(母国語)が異なり、短い時間では意思疎通が難しいのではないか」ということでした。日本人の場合、親子共に日本語を母語とするため、ちょっとした時間でも適切な言葉で意思疎通ができるからそれほどまでに関係が悪化しないということです。

この見解は、外国人家庭だけでなく、発達障害などなんらかの事情で意思疎通ができない親子間でも同様なことが起きるのではないかと推測できます。あるいは起きているのではないか。

また、このことからわかるのは、子どもが孤独感を感じるのは母親の就労が直接原因ではなく、そこから派生する会話の減少、それが自分への無関心と思われるということです。なので、母親の心がいっぱいいっぱいできりきり舞いだと、やはり会話は減ってしまい、子どもは寂しい気持ちになると思います。家事・育児や仕事の完璧度は人それぞれなので、誰にとってもいい方法などというものはないのですが、自分の心に余白を残しておくようにする、心を元気にする方法をみつける、というのは大切なことだと思います。

労働政策研修・研究機構のフォーラムなので就労が比較対象となっていますが、子どもとの会話・やりとりを少なくするのは仕事だけではないというか、仕事をしていなくてもあり得ることです。心が元気をなくす原因はいっぱいありますから。

みなさんは自分を元気づける方法、心の中に小さな空き場所をみつける方法など、自分なりのやり方をどれくらい持っていますか?

私は自分自身の失敗からひとつの格言を座右の銘として持っています…

「忙しい時、急いでいるときほど、動作をわざとゆっくりする」です。

超大忙しのお母さま、お試しあれ。